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欲しがります負けたって

舞台と旅とたべもの

最期に一花咲かせましょう

感想
大人の新感線「ラストフラワーズ」観てきた!



脚本:松尾スズキ
演出:いのうえひでのり
音楽:岡崎司、東京スカパラダイスオーケストラ


大人計画×劇団☆新感線のコラボなんて面白くないはずがない。発表された時からずーっと楽しみにしてきた作品、やっぱり観られて良かった!めっっっっっちゃくっっちゃ楽しかった!!こんなに何も考えず爆笑したの何ヶ月ぶりかなー。お祭りに参加できて大満足。

脚本は予告通り超「B級」で「70年代」の「アクション活劇」で、ベースにある毒も含めてこれでもかと王道を突き進むストーリー。
最初からオチは透けて見えてるし、笑いに走るあまり本筋からずれた場面もたくさんあるし、その設定いる!?みたいなネタの入れ方とか、妙に説教くさいテーマを入れてくるところとか、とにかく「学生演劇っぽい」脚本だなーという印象。格好良くなった厨二病というか。
そして役者の皆さんがそれに乗っかって全力でお遊びしていて、やってることはくだらないのにそれぞれのレベルが高すぎて神々の遊びを見ているような気分になる。
あのネタの数々はどこからどこまでがアドリブなのだろうか…今やテレビや大きな舞台で活躍されている方々が、生の舞台でならカットされないだろ!勢いで言ってやれやってやれ!とはっちゃけているように見えたよ…笑


ストーリーはルパン三世の映画でこういうのあったよなあ、と真っ先に思った。
本当に王道でB級なんだけど、どうなっちゃうんだろう?!と思わせてくれるのはさすがいのうえ演出。1幕の盛り上げる締め方はいつもながらとても好みだ。
場面転換も多く、いろんな国を行き来する展開はともすれば観ていて混乱しそうなのだけど、映像演出も多用してわかりやすくまとめていた。お芝居を見慣れている人に向けた演出だなあ(メタな台詞とか)とも思ったけれど、まあ、演劇界のお祭り作品だからな。
あれだけ豊富に人材がいるのに敢えて中心人物を一人二役で演じさせていたりと、演劇ファンの心をくすぐる配役も見事。じゅんさんの行ったり来たりの演技とか、途中で違和感消えていたので「あ、そういえば2人同時に出てきてないな」ってネタを出されてから気付いたよ。
殺陣の無駄遣い、主要な役でもばんばん殺す軽率ともいえるポップさ、うーんロックだわ(適当)


いやはや、とにかくオールスター感謝祭って感じだった。だって松尾スズキ宮藤官九郎も役者で出てるんだよ…しかもあんな役で…。
芝居の感想というより役者の感想になってしまうのは仕方ない。

古田新太阿部サダヲというキャラの濃い看板役者2人がどんな化学反応を起こすのか楽しみにしていたけれど、蓋を開けてみるとメイン2人と他の皆さん…という風には全くならず(笑)全員の自己主張が激しすぎて、良い意味でしっちゃかめっちゃか、誰に目を向けたらいいのかわからないくらい濃密な空間だった。
だってあの人達常に全力で笑いを取りに体張ってるんだもん…面白すぎる。

新感線のファンの贔屓目もあるかもしれないが、古田新太&高田聖子の安定感は素晴らしいと思う。重厚な役も、ご夫婦役も(あのネタは色々な意味で大丈夫なのか…!死ぬほど笑ったけど!)舞台の隅々まで掌握される感じ、本当にさすが。
じゅんさん最高!大好き!最高!粟根さんもすごくぴったりの役でハマっていた。まことさんはせっかく松尾作品なのにどうしていつも通りこんな役なの~最高だ。

実は大人計画を観たことがないので、大人計画側のキャストは皆さん「テレビや映画で見たことある役者さんだ~」という印象だった。しかし皆さんおっもしろいなあ!
サダヲちゃんは最近こういう役が続いているからか印象通りだったかな。バカを演じる天才を演じさせたらピカイチだと思う。
皆川さん、いちいち動きが面白いからずるい。地味に入れられた壁ドンで腹筋攣りそうになるほど笑った…。
荒川さん、星野さんはほんとテレビで見たー!って感じではしゃいでしまった笑 舞台でもあんな感じなのね、味があるわあ。
平岩紙さん、大ファンになった!面白すぎる!!タンバリン芸には登場時からラストまで全て持っていかれたな…あれめちゃくちゃ難易度高いと思うんだけど。すごい。たぶん感動的なんだろうなと思われる後半のシーンは全て彼女に目が奪われて集中できなかったよ…!ずるい!
クドカンと松尾さんはここぞとばかりに遊んでいた。楽しそうだなおっさん達…!こっちも楽しいわ!

唯一のゲスト小池栄子姐さんはもう、さすがとしか言いようが無い。このメンバーに呼ばれてくるだけある。というよりこの2劇団にさらっとゲスト出演できる女優は姐さんくらいじゃないかな。綺麗どころのヒロイン演技も身体を張った笑いもお色気要員もこなしてしまう。万獣の時も思ったけど、本当にオールマイティでとても賢い方なんだなあと思う。はしゃぐおっさん達を転がしながらバランス取って演技していた。


千秋楽を迎えてからいうのもなんだけど、パンフレットは今回マストバイだと思う!!!
ものすごーーーく力が入っていて、読み応えある!パロディだらけのポスターもクオリティ高くてどれもこれも面白い。
かなりお買い得だよ!!もう1冊買えば良かったかなと思うくらい。
パンフで思い出したけど、SEX AND THE CITY 銀行のネタ面白すぎた…パンフで拾ってくれてほんと嬉しい…。あと新感線はそろそろ和泉元彌に賠償請求されても知らんぞww


大の大人が身体に鞭打って全力で悪ふざけしたお祭りに参加させてもらった感じ。とっても楽しいエンタメ空間だった。
この豪華タッグはぜひ第二弾を期待したいけれど、これだけのメンバーのスケジュールを合わせるのは難しいだろうなあ。演劇界の伝説になるだろう作品を観れて良かったと思おう。なんて言いながら、あっさり「また集まっちゃいましたー!☆」とか言ってくれそうなのがこのひとたちなのだけど。
まだまだ「最後に一花」なんて塩らしいことは言いそうにない2劇団の皆さんに幸あれ。