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欲しがります負けたって

舞台と旅とたべもの

君の夢の中で生きる

感想

新年初観劇はフランケンシュタイン@日生劇場でした。

柿澤ビクター、加藤アンリの回。

身近に韓国版にハマっている方が何人もいて、みんなに「桜花さんは絶対好きだよ!」と言われていたのでかなり期待して、観劇を楽しみにしていた。珍しくネタバレも避けて韓国版の映像も見ずに臨んだ。 観てみて一番に出てきた感想は、「なるほどなあ」だった。笑 私が好きそうと言われるのもわかるし、実際ここがたまらなくツボにハマる!というシーンも多々あった。そしてハマっている人たちが何が好きなのかもよくわかる。 この作品はものすごくハマる人と、そうでもない人がぱきっと分かれる作品だろうな。 実際、幕間や終演後のロビーでは「話がよくわからないんだけど…」とか「泣いている人がいたけど、泣く場面あった?」なんて会話をちらほら聞いた。 その人たちがなぜ「わからない」と感じたのか、それもよーくわかる作品だ 正直いうと私は「めちゃくちゃツボにはまりそうな作品なのに、惜しいなあ」と思ってしまった。

せっかく高低差がある立体セットを作っているのに、平面舞台上での動きが多いなとか、場面変更に暗転が多いなとかは、日本版の演出の問題みたいなので、韓国版を観てみたいところ。

そもそもの脚本的な話でいうと、ところどころ韓国ドラマっぽくて面白かったな。

アンリの死に関わるかなり重要な冤罪事件、原因が「カッとなって石で殴った」とか。いいのかそんな短絡的で。笑

すぐ留学に出るとか(これは原作でもある設定だけど、韓国ドラマ=留学というイメージがあるw)年月があっという間に経つとか。(見世物小屋で過ごした時間がまるまる3年間ではないと思うけど、すごく短く感じた…)

見世物小屋のパートは皆さん本当に楽しそうに生き生きと演じていらしたけど(笑)長く感じたなあ。 その後の復讐劇が猛スピードで走っていく感じがした。どちらかというとそっちからエンディングにかけてをゆっくり楽しみたかった。

あと一人二役設定は、「人間は環境でどのようにもなり得る」みたいな、それぞれの役の違う世界線での可能性を示したかったんだろうなと思うんだけど、ただでさえテーマが重いこの作品に加えるのはやりすぎだったんじゃないかな?という気がする。いや、皆さん本当に楽しそうだったし見てても楽しかったけどね。 カトリーヌの壮絶な生い立ちなんかは、韓国作品だからあそこまで描けるんだろうなと思う。韓国作品は良くも悪くもエグみがあるよね。

アンリが死んで、怪物として蘇生して、ビクターが後悔する、までの流れはとても良かっただけに、いつからアンリの記憶が戻っていっているのか、愛憎劇の決着のつけ方をもっと見せてほしかったなあ、と思う。

私は一昨年NTLで観たフランケンシュタインが大好きで(当時の感想)聖書になぞらえた演出だったり神と人間についての示唆だり、二人の関係性にものすごく衝撃を受けたので、そこと比べてしまったのはあるかもしれない。

怪物は「すべてが完璧だけど容姿が恐ろしく醜い」というのがアイデンティティーだったわけで、本作はその容姿設定を大きく変えたのだから、その重要性をもっと出してほしかった。怪物が誰よりも美しいのは意図的だと思うから。

でもこのあたりは韓国演出だと全然違ったものに見えるらしいと聞いたので、すごく気になる。 あとそもそも二人の距離が縮まったタイミングもよくわからないなーと思ったけど、韓国版だと目で見える感じの演出らしい。見たい。

役者さんでいうと、柿澤くんのビクターは、親の死を受け入れられなかった子どもがそのまま大人になってしまったという感じで、アンリに対しても甘えてる感じが強い。

自分は天才だと思って打ちのめされる駄々っ子キャラ、最近よく見てるな…笑

歌も演技も良かったのだけど、最後までアンリに甘えるビクターだなという印象。

フランケンシュタイン(原作)の究極のテーマは、「人は神を超えられない」と「怪物と博士、どちらが本当の怪物だったのか」だと思っていて、その意味で柿澤ビクターは怪物には見えなかった。 そこまでの狂気はなくて、ひたすらかわいそうな子どもだった。

加藤アンリ/怪物は、今回一番の収穫かもしれない。

実は加藤くんがちょっと苦手で、Wキャストの時にはできるだけ避けていたことがあるのだけど、久しぶりに見たらすごく良い役者さんになっていて感動した。

アンリの時の歌も良いし、怪物になってからの無垢な顔、憎悪に震える様子、子どもと語る際の複雑な表情、すごくいい。

ウンテさんのファンらしいけど、解釈は意識したのかなあ。ラスト、ビクターへの愛も感じる怪物だったな。

めぐみさんはさすが、エヴァは優しすぎるゆえに弱い姉を、でも歌声は抑えすぎずに演じあげていた。見世物小屋パートは、本領発揮!という感じで本当に楽しそうだった。笑

桂さんも、カトリーヌが断然楽しそうだったなあ。ちょっと音が厳しそうなところもあったけど、聴いていてスカッとする歌いぶりだった。

そうまさん(改名されてから未だに漢字が覚えられない…)は重いストーリーの良い緩衝材になってくださっていて、可愛いし面白いし素敵だった。執事、いいわ~。

観劇後にいろんな方の韓国版の感想を拝読したり、映像を見てどハマりしている。ウンテさんの君夢、映像だけでわんわん泣いた。


今回の日本版であらすじと曲は覚えたので、早く韓国版を観に行きたい!という気持ち。いつ再演するのかなー。そわそわ。

あと、最近ずっと再演or他国で観たものの日本版が多かったので、輸入とはいえ筋書きを知らないミュージカルを観るのがとても久しぶりで、楽しかったな!

次はどうなるのかな、とわくわくしながら観る感覚たまらないなあ。新作もっと観に行こう。